公務員試験体験記 ①都庁1類B行政(新方式)&幹部自衛官(一般・海上)

忘れないうちに、春の公務員試験のことについて書いておきたいと思う

今年の春から、国家公務員総合職・都庁・幹部自衛官の3つの試験を受けていた
結果はというと、最終で全て落ちてしまったので、就活がほぼ振り出しに戻ったような感じだ
が、記録を兼ねて、これから試験を受けられる方や、公務員に興味がある方のために少し参考になればと思い、記すことにした
ここでは、比較的資料の少ない(と自分で感じた)都庁と幹部自衛官の試験について、これまたサンプルが少ない理系の学部生が文系職を受けた体験記を書こうと思う

まずは都庁
東京都庁では、平成25年度から新方式というものが実施されており、行政の1類B(大卒レベル)を受けた
なお1類Bは1類A(院卒レベル)と併願可で、また年齢制限をクリアしていれば受験可能なため、三次試験で一緒にグループ討論をしたメンバーの中には院生も社会人もいた
理系なのになぜ文系職なのか、理由は2つあって、まず自分の興味のある職業が全般的に文系寄りであること、そして理系ではあるが、明確な専門性が無いため、技術職で受けるのが難しいからだ

さて、試験だが、一次は教養試験とプレゼンテーションシートの作成である
教養試験の方は、数的処理が出来ていれば、英語がよほど酷くない限り特に対策はいらない気がする。いや、うそ、時事問題はちょっと見ておいた方がいい
私自身、実は過去問を全く見ておらず、試験問題にバカボンが出てきたのを見て都庁ってこんな問題出すのか、と思っていた
プレゼンテーションはwebに載っている過去問を見たが、構成を考えたのは試験中
「”プレゼンテーション”シートなんだから、プレゼンテーション作ればいいんだよね?」と思い、文字通りプレゼンテーションをシートに作った

二次・三次試験はお台場で行われた
二次は一次で作成したプレゼンテーションシートを元に5分間で発表して、それに関する質疑応答を受けた後、面接シートに沿って面接が行われた
プレゼンテーションシートは、会場に着いた後、発表の1時間くらい前には返されるので、そこから発表までの間に必要な補足等を付け足して、発表に適した形にすることが出来る
因みに私はこの二次の面接が、全面接の中で一番緊張した
三次はグループ討論のあと個別面接があり、まず討論に関することを質問される。その後面接シートに関することを、二次の時とは少し違う角度から質問される(会場にいた人から聞いたことだが、グループ討論の議題は2つ用意されているようだ)
また二次・三次の面接では、留学先を含む自分の出身大学が面接官に分かることのないように話すこと、という指導が徹底されていた。学校名による一切の偏見をなくし、人物本位で評価するためだそうだが、それに留学先の大学名も含まれていることに驚いた
なお面接官はどちらも3人だった

三次試験を通ると最終合格者名簿に登録され、意向確認等を受けた後、内々定が出るのだが、三次試験の会場でもこの最終合格≠内々定ということを知らない人が結構いたので、これは注意

こんなところだろうか
3つの試験の中で唯一成績が帰ってきたのが都庁だったが、総合得点(最終合格の判定には、一次〜三次試験の点数をグロスしたものが使われる)と席次が書いてあるだけなので、どの段階で何点取れたのか、またどこが足りなかったのかは分からない
だから結果を受け入れるのみである

そして、幹部自衛官の試験について

まずこれを見て、こんなものがあったのか、と思われた方も多いのではないだろうか
予備校が出している公務員の試験日程一覧表にすら載っていないこともあるくらいで、一般の公務員試験受験者からしても、いわゆるマニアックな部類に入ると思う

また一般の認識として、「年度が変わってから最初にある大きな公務員試験は国総」だと思うのだが、実はこの幹部自衛官の試験が一番早い。国総の一週間前にあり、今年は5月16日だった(飛行要員は17日も)

幹部自衛官を含め、自衛隊の試験を受ける際には、最寄りの自衛隊募集所を通じて出願する必要があり、対策等もそこでしてもらえる
特に幹部自衛官の試験に関しては、過去問がこの募集所以外では手に入らないため、その意味でも募集所が重要になってくる(市販では予想問題集が売られているが、実際の試験と違うところが多く、あてにならないらしい)
ただし募集所でもらえるのも問題と解答のみなので、詳しい解説等は対策会等で聞くしかない
また幹部自衛官の試験は、年齢制限が他の公務員に比べて短く、大卒レベルでは26歳までが受験対象である(院卒レベルは28歳まで)ので、受けられる方は注意

さて、一次試験について
一次試験は各基地内で行われ、ここでは陸海空の区別なしに受ける
一次は教養の択一と、専門の択一、それに専門の記述の3つを1日で行う
教養は全問必答で、センター試験にかなり似ているので、大学受験でセンター対策をやっていた人なら可能な限りその時の知識を思い出せば、それだけで対処できると思う。一般的な公務員試験でいう数的処理に当たる分野は、初等数学で習う図形問題がかなり多く、思いつかないと苦しい
そして教養の中で意外と面倒なのが、資料解釈。他の公務員試験に比べてクセがある。本番も面倒だったら後回しにしようと考えていたが、今年は資料解釈にそれほどクセがなく、逆に数学が少し難化していたように思う

専門の択一は、自然科学・人文科学・社会科学の3つの中からその場で選び、解く。私は自然科学を解いたが、内容は数学・物理・化学・生物がメインで、地学や天文なども数問入っていた。こちらは選択式で解く問題を選ぶことができ、主に物理と地学系を省いたためそれらに関しては分からないが、数学・化学は大学レベルも含まれていたものの、生物は完全に大学受験レベルだった(生物2をやった人であれば)

最後の専門記述に関しては、10くらいの分野の中から一つ選択して、2問答える。1問目と2問目で選択した分野が違うと0点になるので注意
これも自然・人文・社会とあるのだが、これは人文・社会を選ぶ方が良いらしい。というのも、この二つは加点方式で採点されるため部分点を取りやすいのに対して、自然は減点方式なため、結果として得点が低くなることが多いからだそうだ
私は英語を選択したが、困った時は英語を選ぶといいと思う
なお、この専門記述は一次試験の合格判定には使用されず、一次合格した人が二次試験を受けた際、そこでの合格判定に利用される。これも、受験者でも知らない人が多かったので注意

次に、二次試験に関して
一次試験に合格すると、一次試験合格者に対して、各地方協力本部が二次試験の対策をしてくれるので、これには出た方がいいと思う(余談だが、陸では一次試験で多めに合格者を出して二次で絞るのに対し、海・空は一次試験でかなり絞るらしいということを、自衛官の方の立ち話で知った)
幹部自衛官を含め、自衛官の試験では出願する際に陸・海・空のいずれかを選ぶが、私は海にしたため、二次試験は横須賀の海上自衛隊の基地内で受けた
二次は小論文・身体検査・面接
小論文は時事か、安全保障に関する話題のどちらか一つを選んで答える
身体検査は、自衛官だからと言って特に優れた身体能力を要求されるわけではなく、身体がきちんと機能するかを確認される。むしろ警察の方がきついと聞いた
そして面接。これも面接官は3人。威圧的に聞かれることが多いらしいが、私の担当だった面接官たちは、フランクな雰囲気で驚いた(だからと言って評価が甘いわけでは全くないが)

一般幹部自衛官の場合、試験は二次までだが、飛行要員の場合は三次まである。そのため、一般の場合は二次試験を受けてから最終合格発表まで、1か月半以上待たされることになる(その間に飛行の三次があるためだ)
こんなところである

今回の公務員試験を通じて、一番お世話になったのが、自衛隊や募集所の方たちだった。たかだか一受験生のために、本当に親身になって話してくださり、色々なサポートをしてくださった
この場を借りて、心よりお礼申し上げます

また、今までの就職活動を通じて一番学ぶことが多かったのも、国防・安全保障に関することだった。今まで自分がいかに無知であったかということを思い知らされるのと同時に、日本国民として恥ずべきことだと思った

現安倍政権の安全保障法制が話題になって久しいが、異を唱える人たちに疑問を覚える
意を唱える人たちが日々の生活を送れているのも、何も知らない若者が東京のど真ん中で遊んでいられるのも、今この瞬間、日本を文字通り命がけで守ってくれる人たちがいるからである
その恩恵を受けておきながら、自衛隊は違憲だ、などという人たちの神経が分からない
憲法9条があったから日本の平和は守られていたのだと、これからも唱えていれば平和は保たれると本気で考えているのだろうか?
そもそも今の憲法自体、占領下の日本で作られた時代錯誤な遺物だと思うのだが

公務員試験の話から、政治的な話になり、長くなってしまったが、今回はこの辺りで終わりにしようと思う

コメント

  1. 初めまして。都庁の二次試験を受けるのですが、口頭だけでいいのか、資料、パワポを用意したらいいのかわかりません。そして、発表中は返されたシート、メモ、カンペは見てもいいのでしょうか。

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    1. 初めまして^ ^
      一次突破おめでとうございます!
      プレゼン発表は口頭のみで、返されたシートのみ見ることができます!
      発表前に比較的時間の余裕を持ってシートを返却してもらえるので、そこにメモして本番に備えていました
      二次・三次の健闘をお祈りしています!

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  2. コメントしたものです!お返事ありがとうございます。シートに書き込む時間があれば少し余裕ができますね、、、
    また何か質問させてください。

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  3. 質問です。一次であげた課題をもとに新しく政策を掲示するのはあまり印象が良くないでしょうか。シートの段階で具体的な政策を出していない状態です、、。

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    1. 今年の問題内容は分からないのですが、私の年は1次試験の段階で具体的な解決策(政策)を示す必要があり、プレゼンではシート内容を補足することはできても、内容を大幅に追加したり変更することはできませんでした
      1次試験の資料を使う以上、完全に方向性が違うことは言えないでしょうが、それをもとにこのような政策を考えた、という展開であれば自然な流れかと思います
      むしろ具体的な政策を示していないのであれば、なおさら2次で突っ込まれる可能性は高いでしょうから、そこをよく詰めておく必要があるかと思います

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  4. ありがとうございます!全力を尽くしてきます!

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  5. 無事、都庁の最終試験まで残ることが出来ました。このブログのおかげです。質問なのですが、三次の面接で、討論の内容を聞かれるとのことですが、具体的にはどのような質問でしょうか。

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    1. 返事が遅くなりました><
      二次突破おめでとうございます!

      ご質問ですが、「議題」と「役割」について質問されました
      議題に関しては「どう思ったのか?」程度でしたが、役割についてはかなり詳細に聞かれました
      私は討論中司会役をやったわけでも、ものすごく積極的に発言したわけでもなく、議論が散らかりそうな時にまとめることが多かったのですが、普段からそういう裏方というか、表には出ないタイプなのかと聞かれました
      「そういうことが多いです」と答えたら、「時には自ら率先して、仲間なり関連組織をまとめて引っ張る必要があると思うけど、できそうか?」と質問されました
      これに対しては確か「やる時にはやると思います」と答えた気がするのですが、そのあとの内容は正直覚えてないです…
      この他には、記事にもあるようにシートに関することも少し聞かれましたが、メインは討論に関する内容だと思います
      私はここで落ちてしまったのでなんとも言えませんが、反省点があるとすれば、討論では場面全体を見つつも、もっと積極的に発言して存在感を出したほうが良かったかなと思います

      最後、あともう少しの踏ん張りですので、体調に気をつけて臨んできてください!
      良い報告をお待ちしています!

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  6. 都庁、最終試験で落ちてしまいましたが、悔いはありません。このブログのおかげで最終まで頑張ることが出来ました。本当にありがとうございました!

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    1. そうでしたか…本当にお疲れさまでした!
      この記事が誰かの役に立っていると実感できて嬉しかったです
      心から納得できる道に進まれることを願っています!

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