Jazz, Latin and Bossa Nova

昨日、初めてボサノヴァのCDを買った
正確に言うと、ボサノヴァの曲だけを集めたCDを初めて買った

ふだんボサノヴァは、ジャズやラテンのCDの中に入っているものを聴いたり、You TubeでBGM代わりに適当なものを流したりということが多い
そのため、何度も耳にしているのに曲名を知らない、という曲がとても多かった
頭の中にあるリズムと、見たことのある曲名が一致すると、とても心躍るものがある

タイトルにある3つのジャンルの音楽 − ジャズ・ラテン・ボサノヴァ − は切っても切り離せない関係であるし、互いに非常に良い影響を与えていると思う
私がこのジャンルの音楽を聴き始めたのは、中学生のとき
当時放送委員だった私は、自分の当番の日にジャズを流すことになり、親にCDを借りたのだが、そこで今までときどき耳にしていた音楽が「ジャズ」というものであることを知り、興味を持った

そのCDはグレン・ミラーのアルバムだった
ジャズ好きの方なら言わずもがな、ジャズを知らない方でも、彼の曲を一度は耳にしたことがあるはずだ
「イン・ザ・ムード」「ムーンライト・セレナーデ」「アメリカン・パトロール」「茶色の小瓶」「真珠の首飾り」など、今も世界中で愛され続けている曲が多くある

グレン・ミラーから、ベニー・グッドマンやデューク・エリントンなどのビッグバンドを聴くようになり、他のジャズも聴くようになった
夜になると部屋の明かりを消して、フルーツを食べながらジャズを聴く、というのが最高に楽しみな時間だったのだから、今から思えば少し変わった中学生・高校生だった、かもしれない

ラテンと出会ったのは高校1年生のとき
母校のホールに「東京キューバンボーイズ」が来て演奏をしてくださり、ラテン音楽の素晴らしさに魅了された
東京キューバンボーイズは故・見砂直照氏が結成した、日本を代表するラテンバンド
現在は彼の息子さんである和照氏が指揮をされている

その時の曲の中で最も印象に残ったのは、「Besame Mucho(ベサメ・ムーチョ)」
美しく、そして切ない旋律に心を打たれた
ベサメ・ムーチョとは、スペイン語で「たくさんキスをして」という意味
なんとも情熱的なこの詞を書いた女性は、当時キス未経験者の15歳(!!)だったと聞き、凄まじい衝撃を受けた
感受性豊かな国の人だからこそ書けたのだろうな、と同じ歳の女の子として頑張って理解しようとしていた
ちなみに未が取れた今でも、私にはこんな詞は書けそうもない

ボサノヴァは、冒頭でも述べたが、この2つのジャンルを聴いているうちに自然と親しむようになった
ゆったりとした控えめな音と、ポルトガル語が耳に心地よく、特に晴れた日の昼下がりに聴くと幸せを感じる

ボサノヴァのCDに関しては、正確に言うと Joao Donato(ジョアン・ドナート)の「Muito a Vontade」を以前から持っており、好きなのだが、このアルバムはジャズやラテンの要素を多分に含んでいるため、あまりボサノヴァという感じはしない
同年に録音された彼のアルバム「A Bossa Muito Moderna」がほしい今日このごろである

人生におけるさまざまな「出会い」の中で、ジャズにラテン、ボサノヴァは、私にとって紛れもなく最も大切なものの一つである

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