Prado captive beauty - Treasures from THE PRADO MUSEUM

プラド美術館展に行ってきた
普段は展示系に行ってもあまり感想をまとめたりしないのだが、久しぶりに文字にしてみようという気になった

三菱一号館美術館へ行くのは、「VIGEE LE BRUN 展」以来5年ぶり
あの時は震災直後で、都内でほとんど外国人を見かけなかった

今回の展示では比較的小さな作品が多かった
美術館自体の構造も相まって、全体的にコンパクトな展示会という印象を受けた
美術館で静かに絵画を鑑賞する、というより、誰かの家に飾られているようなサイズの絵を見ながら細切れの部屋を進んでゆく、という雰囲気だったからか、鑑賞者の(特にご高齢の方の)おしゃべりが多かった

初来日の話題作も多かったが、自分の中で印象に残ったのものをまとめると、

1. 暗いトーンの作品
2. 綺麗な青色が使われた作品
3. 統一性の中にある躍動感が存在する作品

であることが分かった

1は、多分にレンブラントの影響だろう
綺麗なブルーで彩られた作品は「聖ペテロの涙」等、今回も多数見受けられた
もともと青は聖職者が身につける色であったそうだから、宗教画が多い展示ではそれこそ神聖さを感じさせる青色によくお目にかかる
3はうまく表現できないが、単に躍動感あふれるものではなく、作品全体に高尚な統一感があり、その中からあふれる躍動感に惹かれる、ようである

その中で特に印象に残った作品を3つあげてみる

まずは「スモモとサワーチェリーの載った皿」
たしかこの展覧会のことを知ったとき、一緒にこの作品が紹介されていたと思うのだが、この絵を観るために今回足を運んだようなものである
お皿に果物が載っている、というシンプルな静物画で、ダークなトーンの中にある色のコントラストが素晴らしいと思う



それから「手に取るように」
原題が『En vue』らしいが、どうしてこの邦題なのだろう…
それはさておき、淡いトーンの色使いが鮮明に印象に残る作品
女性や背景に気を取られていて、解説を読むまで椅子の上に本が載っていることに気がつかなかった…
なんの本を読んでいるんだろう。詩集かな?



そして「トビアスと天使」
この絵を観た瞬間、びっくりした
そして強く惹きつけられた
同じ人間が書いた絵とは到底思えないほどの神聖な空気が、この絵から溢れていたからだ



あとは番外編で、一番 驚いた 作品は「豊穣」
一見何気ない、というか幸せそうな絵なのだが、一種不気味とも言えるものが描かれている…(見間違いかと思った)

プラド美術館の絵画を、そしてスペインの絵画をこれだけまとめて観たのは初めてだったが、何気ない背景からでもスペインらしさ(行ったことないけど)が見てとれたのは面白かった
ロンダに行きたいなぁ

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