GARNET CROW - The Impossible Dream

初めて彼らの曲を聴いたのは、アニメ「名探偵コナン」のOP
その後もたびたびコナンで曲が使用されており、耳にしてはいたが、1曲丸々を初めて聞いたのは主題歌を集めたCDを買った(確か)小6のときだ
その時になって初めて彼らがグループであることや、ボーカルが女性であることを知った
中性的な声ということもあるが、不思議と全くそんなことを考えさせない歌声だったのだ

その後しばらくはそのCDを聞いていたが、当時はテレビの中で聞いたことのある、自分の知っている曲しかCDでも聞かなかった(今でもCDを買っても全部は聞かないのだが)
が、あるときそのアルバムの最後に入っていた「君という光」を聴いてみて、GARNET CROWに興味を持った

単体でアルバムを出していることを知り(当たり前か)、ならば聴いてみようと思い手に取ったのが「SPARKLE 〜筋書き通りのスカイブルー〜」だった
中1の夏だった

季節とCDの外見・中身が見事なまでにしっくりきていて、当時の感覚は今でも鮮明に印象に残っている
すっきりと晴れた青空が、どこまでも続いていた

その年の秋には2枚目となる「Crystallize 〜君という光〜」を手に取って、冬にかけてずっと聴いていた
こちらも季節とマッチしていて、当時の感覚はやはり鮮明に印象に残っている

その後も何枚か彼らのCDを買ったり、曲を聴いたりしたが、これだけいろんな意味で印象に残ったのはこの2枚のCDだけだ

このときにライブ等に行けばよかったのだが、当時なぜかそんなことは思い浮かばず、少しして彼らの音楽とズレを感じるようになり、一時期は完全に離れていた
初期〜中期前半くらいにかけての方が、彼らの世界観がより出ていたと思うからだ
最近のものは、もちろん世界観も出ていたのかもしれないが、それよりポップさや、大衆に合わせた感じが出ていたものが多かった

が、また何年かして初めて彼らのライブに行くことになった
それが引退ライブであった

引退公演ということで全活動期の中から曲が選ばれており、自分がわかる曲も多くて楽しく、この時点ではあまり解散するという実感がなかった
が、ラストで歌われた「夢みたあとで」を聴いて、俄かに彼らが解散するということを実感した
そしてそれと同時に、大切なものがなくなるようなとても寂しい気持ちを覚えた

GARNET CROWは私にとって、音楽を「聴く」ことを覚えた存在であり、自分の心の中にある言葉にできない気持ちを代弁してくれる存在であった
彼らの描き出す純粋で、限りなく澄んでいて、懐かしさに溢れ、心の一番深いところに響く世界観が大好きだった

いつか行けるだろうと思っていたそんな世界は、今のこの世の中にあるのだろうか
そして自分の中に、その世界はまだ残っているのだろうか

時代が変わり、様々なものが急速に変化していく中で、私が心から望んでいることはいつも、過ぎ去った日々の中に答えを求めているようで、それは永遠にかなうことはない「まぼろし」

私はいつも、見果てぬ夢を見ている

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