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たぶん、他の人がマンガやテレビに費やすのと同じくらいの時間を、雑誌に割いてきた
とにかく美しいものを見ることが好きで、ファッションに始まり美容 フード インテリア 旅 ホビー等々、紙面に載せられているあらゆる美しくて綺麗なものを見ては、将来こんなものに囲まれて生活したい、生涯一流のものに触れていきたいと思っていた

この文章から察せられる通り、実年齢とはだいぶかけ離れた世代を対象にした、いわゆるハイクラスの大人向けのものを読むことが多かった
当然そういった品々を実際手に取れるはずもなく、美しいものたちはずっと紙面の中だけのものだった

自分の年齢と離れた情報源にハマるきっかけとなったのが、ファッション雑誌の「Oggi」だった
Oggiは30歳前後向けの内容で、当初は時折ページをめくる程度だったのだが、16周年記念号の表紙を飾られている杏さんを見た瞬間、まよわずレジに持って行ったことをよく覚えている
大人の女性の象徴のようで、とてもかっこよかったのだ
(ちなみに私はOggiと同い年なので、実年齢の倍近い人たち向けの内容を読んでいたことになる)

それ故弊害もあった
自分でいざものを買う段階になったときに、基準が高すぎて、全くものを選べなくなってしまったのだ
さらに選べたとしても、現段階では年齢尚早というものばかり
そりゃあ一着数万円以上はする服ばかり見ていたら、若者向けの安っぽい素材やデザインのものは選べないわな…でもそんなこと言ってたら外に着ていく服無いしな…で、妥協点を見つけるのに苦労した
食事に関しても同様で、美味しくないものを食べるとイライラするし、貧素なものを食べると変にお腹が張ったり、逆にお腹が空いてしまうという有り様だった

今では現実的な価格で買い物することを覚え、かつもの選びもしっくりくるようになった
それと同時に、物質主義やブランド広告に踊らされるのではなく、本当に良いもの、価値あるものを見極め、付き合っていきたいと思うようになった
そのためにはたくさんのものを実際に見て、触れて、試してみることが大切、というかそれしかできないだろう
ものや情報が多い時代だからこそ、良いものを選択することが何よりも大切なのであり、また受けられる恩恵でもあるのだろう

人生は常に選択の繰り返しであり、もの選びもまた然りである

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