Phantom thief

意外に思われるのだが、怪盗が好きだ
アルセーヌ・ルパン、ルパン三世、キャッツアイ、怪盗キッド…

怪盗といえばまず名前が挙げられるのはアルセーヌ・ルパンだろう
日本ではその孫・ルパン三世の方が知名度が高く、見たことのある人も多いだろうが、本家はこちらだ
神出鬼没、変幻自在、快刀乱麻…
怪盗を形容する際に使われるこれらの単語は、アルセーヌ・ルパンによって定着したと言っていいだろう
フランス本国を除けば、日本は世界で最もアルセーヌ・ルパンの人気が高い国と言われており、子ども向けミステリーシリーズは今なお多くの人に読まれている
私はこの子ども向けシリーズを読んだことがないので分からないが、このシリーズがあることとルパン三世のイメージが強いからか、アルセーヌ・ルパンは子供向けの読みものだと思われがちな節がある(だからからか、シリーズの全訳がほとんどなく入手困難なので読めていない)
確かにヒーローが活躍する冒険ものは子ども向け作品の王道だが、アルセーヌ・ルパンは大人でも楽しめる作品、というか大人だからこそ楽しめる作品だと思う
成長するにつれ、よりミステリーものとして楽しめるようになり、さらに人生経験を重ねるとアルセーヌ・ルパンという人物について、全く異なった見方をするようになる
幼い頃は非凡な才能を持った天才、という彼の表面的な特徴にばかり目がいっていたが、真のアルセーヌ・ルパンは、

痛快なアクションヒーローであると同時に、善と悪に引き裂かれ、変装と演技の果てに本当の自分を見失っていくことに悩む複雑な人物  - 怪盗紳士ルパン(平岡敦訳 ) 解説より

であり、彼のような生き方は世界一刺激的で、世界一心踊らされ、世界一悲しい生き方だということに

その孫 ルパン三世の活躍は、これまた説明不要だろう
原作はよりハードボイルドでダークな世界観であり、アニメのコミカルな雰囲気に慣れていると別人のように思われてしまう
一度だけ原作を読んだことがあるが、もともと漫画が苦手なのと幼い自分にはあまりに刺激が強かったため、即断念した記憶がある
幼い頃は五エ門が好きだったが、バーでミルクを頼んでいるのをみて次元に鞍替えした

キャッツアイはこれまた有名だと思うのだが、今の若い世代では見ている人が少ないのか、あまり話題に上らない
かくいう私も、ここで挙げておきながらだいぶ昔に見たっきり、しかも結末を見ていないという状態だが…
主人公の来生三姉妹は、昼は普通の喫茶店オーナーだが、夜はある人物に関連する遺品をターゲットに活躍する怪盗キャッツアイ
次女・瞳の恋人はなんとキャッツアイ特捜班の刑事という、まあ危なっかしいやら、でも毎度逃げられているのでそうでもないやらの設定
同じ怪盗もののルパンと比べて再放送回数も少なく、レンタルしているところも少ないのでなかなか見れず悲しい

今の日本で怪盗と言ったら「怪盗キッド」を挙げる人が多いのではないだろうか
名探偵コナンに出てくる主人公の宿敵で、彼が身につけている衣装、立ち居振る舞いなどは怪盗「紳士」のイメージそのもの
怪盗に共通するのは普通のコソ泥と違い、彼らなりの美学を貫いているという点だが、キッドも御多分に洩れず
実は長年キッドの動機が分からなかったのだが、「まじっく快斗」を見て理由が判明し、よりキッドに興味を持つようになった
結末が非常に気になるのだが、まじっく快斗の連載は不定期のようなのでまだまだ先のお楽しみかもしれない

怪盗は自分とは正反対で、自分にはないものをもっている人たちだからこそあこがれ、夢中になる存在なのである

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