Architectural landscape with a canal

先日エルミタージュ美術館展に行った
行こうと思っていたのを、不覚にもすっかり失念しており、本屋で公式ガイドを見かけて思い出すという…
最近色んな事をすぐ忘れてしまうので、どうしたものかと思っている

エルミタージュ美術館展は数年に一度開催されているようだが、行ったのは多分初めて
ちょうどロマノフ王朝などを勉強し直していたこともあって、家系図や背景などを理解した上で見ることができたのは良かった
どんなものでもそうだけれど、美術に触れるときも基本概念や時代背景などを学んでおくと、吸収が違う

展示内容は国ごとに分かれており、イタリアに始まりオランダ、フランドル、スペイン、フランス、そしてドイツ・イギリスと続く
オランダの展示で、一枚だけだがレンブラントの絵があった

「運命を悟るハマン」
当時のオランダ画家は得意分野に特化した専門家が多かったらしいが、その中にあってレンブラントは多作な万能型であったため、非常に珍しいそう

他には、ムリーリョの描く子どもたちに惹かれた
「受胎告知」
「幼子イエスと洗礼者聖ヨハネ」
この二つの絵を見て、なんと柔らかく、愛らしい表情の子どもたちを描くのだろうと思った

それから、「盗まれた接吻」
題とシチュエーションが面白い
「パリスの愛を受け入れるようにヘレネを説得するヴィーナス」
これは色彩が綺麗だった
そして、この展示で一番印象に残ったのが、
ユベール・ロベールの「運河のある建築風景」
題のとおり、建築物と運河のある風景画なのだが、この絵を見た瞬間心を洗われるような感覚を覚えた
建物の、中央右側にある柱の並びになぜだか強い既視感を覚えたのは、
      ・・・・・
たぶん自分がそこにいたからだろう

今回の展示は、いままでの美術館展とは一線を画すような、非常に学びの多い内容だった
なぜそう思ったのか考えてみると、時代や地域という分かりやすいテーマで内容を絞り、コンセプトのはっきりとした展示であったため、理解しやすかったからではないかと思う
また作品数がそれほど多くなく、全体の流れを覚えたまま飽きずに見られたことも大きいと思う
膨大な数の展示があると嬉しい半面、途中で疲れたり、何を見たのかも忘れてしまったりするので、この点の配慮はありがたい

閉館前日という滑り込みだったが、行くことができて本当に良かった

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