Céline

初めてトップメゾンのバッグを手に入れることとなった

某百貨店で用事を済ませたあと、館内をふらついていると、セリーヌがあった
その店頭へなにげなく視線を向けると、なぜだか惹かれるバッグがあった
色遣いが珍しかったのだが、手にとった瞬間「エイジングさせたい!」という気持ちが湧き、そんな自分に衝撃を受けた

その後のスタッフとの会話で、

・やはり色遣いが珍しいこと
・長く使える定番の形だが、シーズンカラーのため数が少ないこと
・外だけでなく中も本革なのに、軽いこと
・とても「立体的な」デザインであること
・ロゴが全く目立たないこと
・そのロゴが、新生エディ・スリマンのもとでは変更されること
・トリコロールカラーは、フィービー・フィロの退任によりなくなってしまうこと

などを知り、惹かれると同時に「投資価値がありそう」という思いが湧いてきて、さらに衝撃を受けた

だが、すぐに「購入しよう」とはならなかった
理由は2つで、まず値が張ること
価格だけでいえばティファニーウォッチの方が上だったが、時計はずっと欲しくてめぼしいものを探していたし、一点ものということもありさほど決断に時間がかからなかった
だがバッグにはそこまでのお金をかけようと思っておらず、雑誌や街中で高価なバッグを見ても惹かれたことがなかったので、「欲しい」と思ったこと自体に戸惑っていた
そして、(トップ)ブランドものであるということ
これも「ティファニーウォッチがブランドものなので、矛盾しているではないか」と思われそうだが、この時計は文字盤の小さなロゴを見なければどこのものとも分からないため、さりげなく身に着けられる
だが今回のバッグは、ロゴが見えなくてもデザインで「どのブランドのバッグ」と分かるうえ、ある程度の大きさがあるので時計よりはるかに目立つ
よって「ブランドもの」を持ったことがない私からすると、「いかにも」という印象になることが躊躇われたのだ
そのため、時計のときには感じなかった「身分不相応」という気持ちがぬぐえず、その日は悶々としながら店を後にした

その後非常に悩んだが、「20年後、一緒にいるところを想像すると楽しみ」なことが決め手となり、このバッグを迎えることとなった
これから一緒に時を重ね、ともにいい味を出していけたらと思う

自分が「ブランド」ではなく「そのもの」を見て選んだことに変わらなさを感じる一方、ものを見る視点がはっきり変わったことに気づき、成長を感じて嬉しくなった
と同時にものの見方が加速度的に上がっているので、これから先が不安にもなる

ものを選ぶ目は、身銭を切ってこそ養われるものだと思う
それが自分で稼いだお金ならなおさらで、自分の意志でものを選ぶようになってから価値観がどんどん洗練されていくのを感じる
たくさんお金を使ってきたし、ムダだったと思うものもあるけど、大切なことが学べ今の価値観に至っているので、これはこれで必要な経験だったのではと思う

今あらためて思うのは、

・自分にとって本当に必要で、大切なものにお金を使うこと
・自分が納得できるものだけを買い、長く大切に扱うこと

今までもそう思っていたけれど、実は全然実践できていなかったと気づいたので、これからはもの選びだけでなく、生き方そのものも含め、気持ちを新たに向き合っていきたいと思う

余談だが、今回の購入にあたりセリーヌのロゴを調べてみた
ロゴ1つで、同じブランドでもこんなに透けて見える世界観が違うのかと驚いた

フィービー・フィロのロゴ

エディ・スリマンのロゴ

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