Overcoat

「服の中で何が好きか」と聞かれたら、真っ先に「軽い」アウター類をあげる
いわゆるスプリングコートと呼ばれるものだ

冬用の重いコートと違い、軽くてバサッと羽織るだけでサマになり、爽やかな気分で街を歩ける
また紳士服をルーツとするものがほとんどで、マニッシュな印象を与えることができるので、シンプルカジュアルを好む私のスタイルにこの上なくフィットする

具体的に挙げてみると、

・トレンチコート
・ステンカラーコート
・ミリタリージャケット
・サファリジャケット
・レザージャケット
・テーラードジャケット

…という、まさに「服の基本」見本帳のような、ベーシックで普遍的なアイテムばかり並ぶ
中でもM65は、そのシルエットや機能美に惚れ込んでいて、これ以上美しい服はないと思っているほど

ファッションに関心がいくようになり、ある程度自分で服を買うようになると、服の本質というか、ルーツや歴史に興味がいくようになると思うが、実体験として腹に落ちたのはようやくここ最近になってからのこと
もともとシンプルな服装を好んでいたが、紳士由来の王道なベーシック服は、自分にはかっこ良すぎるというか、服に負けて着られてしまう感じがしていた
それがここ1年ほどで一気にフィットするようになってきて、ようやく自分のスタイルというか、本当に好きなものが見えてきた
そこから一気にベーシック服への見方が変わり、いま改めて一つひとつの服と向き合い、ファッションというか装いというか、服に対しての意識を改めているところである

軽いアウターが主に活躍するのは春秋(近年は暖冬の影響で、冬にも重ね着を駆使してスプリングアウターで乗り切ってしまう猛者もいるよう)だが、春にリリースされるアイテムの方が色や素材が軽やかなものが多いのと、スプリングコートという響きが好きなので、これらのアイテムと言えば春を連想する(長い冬の間に着ていた重いコートをようやく脱げる!という解放感もある)

春はベーシックアイテムが思う存分楽しめるので、一番好きな季節だ
以前は秋が好きだったが、街中が華やかな色彩にあふれ、身も心も軽やかになる春にここ最近は惹かれている(幸いなことに花粉症はないし)
ただ近年は春・秋ともに短くなっているので、もっと存分に楽しめたらいいのに、と思っている

そう、私の中で「軽やか」というのは重要なキーワード
重いものを背負うより、身も心も軽くして色んなところへ行ってみたい、という潜在欲求の表れなのかもしれないな、とふと思った

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